2025/01/28 20:22
limboussole x chou chinois
コラボレーションバルドゥリバッグ
「目覚めのロータス」の受注会記念して、「目覚めのロータス」完成までのストーリーをここに記します。
このように描かれていったのだなぁと、その過程をお楽しみ頂けましたら幸いです。
ロータス描けると思っていたんです。
『2024年冬もオリジナルテキスタイルで参りましょう』と決定した後、今回もリンブッソルさんとモチーフ検討会を開催。いくつかの植物や、動物が候補に挙がった中、今ならカタチにできそう(描けそう)かも?と以前からも候補に挙げてもらっていた「ロータス」を選ばせて頂きました。コラボの際は気持ちよく制作できるようにとモチーフの決定権は常に白菜堂側に持たせてくださっていたので、今こそその御恩に報いる時と張り切ったは良いものの...
花咲くロータスの姿単品までは良かったんです。

圧倒的に不足していたオリエンタル感
1回目の全体ラフを描き上げたところ。…おかしい。なぜか和に傾倒してしまう。これでは両手を合わせてしまいたくなってしまうではありませんか。案の定リンブッソルさん達の反応もやはり「いや…そうではなくもっとオリエンタルなイメージで…」「ですよね」。「そう、トルコとかインドとか」と私に伝わるようにと、参考画像やヒントをくれるリンブッソルの皆さん。優しい…。
こうしてしばらく描いては消し、描いては描く、オリエンタルなロータスの妄想の日々が続いたのでした。
二度目の正直
どうやら日本の伝統柄の「霞」の模様が「和」の香りを漂わせていたのだと気づき、思い切ってロータスシルエットのフレームに変更してみたところ「おや?これはいい感じなのでは?」と思えるところまで辿り着くことができました。後は星を加えたり、背景にやや抽象化した水草や小花を咲かせたりなどしてオリエンタルなイメージをより具体的に固めてゆきました。

リンブッソルさんにもOK頂き、やっと本腰を入れて描けるところまで進めてまずは一安心。
私はメインのモチーフは鉛筆で描いてPCに取り込み、以降はタブレットとPCを行ったり来たりしながらメインのイラストの重線を描いたり着色をしてゆくのが常です。当初背景は1色展開で制作の予定でしたが、背景色が決められないなぁとリンブッソルさんと色々試してゆくうちに「ブラック」「キナリ」「ワイン」「ブルーグリーン」の4色展開へと夢は膨らんで行ったのでした(笑)
ちなみに、背景にはゆらゆらと水中で揺れる水草のクロモに小さなロータスの花、勿忘草を絡ませ、ぽこぽこと浮き上がる空気の泡を描いて画面全体に動きを加えています。お手元に届いた際にはそちらもじっくりとご覧くださいね。

とにかく時間との戦い
着色の際もリンブッソルさんと数回やりとりをしながら、とりあえず初回テストプリントへ。
クリマは12月7日開催ですので、その1ヶ月前の11月初旬までにはリンブッソルさんにお渡ししたい。逆算すると初回入稿が9月の下旬でも結構ギリギリです。
予想より早くに試作が仕上がって来ました。
やはりというか、当然の如く、PC画面とプリントされた生地の色合いは異なって来るもので。
3回目のオリジナルテキスタイル作成ともなれば初回のテストプリントでうまく仕上がることはまず無く、初回はきちんとバルドゥリバッグの型にデザインが収まってさえいれば上出来です。実際はむしろここからが本番。ロータスのフレームや蓮の池の神々しさを演出するにはどうすればなどなど、初回のテストプリントを基準にして、これくらい色を調節すればこの色に染まってくれるだろうと画面の色合いとの差分を想像しながら詰めてゆきました。

池の空や蓮の葉の色味をちょっと変えただけで随分と印象が変わりました。
そうして2回目のプリントで無事完成。
リンブッソルさんへのバットンタッチが叶い「目覚めのロータス」の生地は完成致しました。